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ロンドンの地下鉄バスキング

地下鉄駅で音楽を奏でるバスカーたちを追って見ました。

こんにちは、ロンドンナビです。
「遅れたり止まったりしてばかり…」と評判がイマイチのロンドンの地下鉄。でも、混雑する駅でほっとするのは、どこからともなく音楽が聞こえてくること。「駅でBGMでも流しているのかな?」と近づいてみると、ミュージシャンがその場で演奏していて、思わずそのうまさに聞き惚れてしまうこともあります。
きょうは、地下鉄の駅で楽器演奏や歌を歌ってチップをもらう「バスキング」の人々について紹介してみましょう!

駅での演奏には許可がいる!

ヨーロッパの大都市を走る地下鉄や電車で、車内にどこからともなく音楽を奏でる人がやってきて、チップをせがまれイヤな思いをした人も少なくないことでしょう。それなりにうまいミュージシャンならともかく、ナビ自身も、見るからに「いたたまれない人」が回って来て、思わず目をそむけてしまったこともあります。
さて、ロンドンの地下鉄でのバスキングですが、10年ほど前までは当局が黙認していました。ところが、演奏中のミュージシャンに退去を命じたり、「バスカー」同士が演奏場所の取り合いで「もめ事」を起こしたりと細かいトラブルが頻発していたそうです。「ならば、バスキングを管理しよう」と考えたロンドン地下鉄は2003年、バスカーへのライセンス交付を決定。それ以後、オーディションを通ったライセンス保持者だけが構内での演奏を許されるようになりました。

駅の一角がステージ、その数約40カ所

1日当たり約350万人が利用するロンドン地下鉄。バスキングができるスポットは、200を超える駅のうち、観光客の出入りが多い25駅(約40カ所)が設けられているそうです。それらの場所で、約400人のバスカーたちが日夜演奏しています。
バスカーに与えられる演奏時間は、1回1カ所につき2時間。地下鉄当局は1週間当たりのべ3000もの「スロット(演奏枠)」を割り当てているそうです。半月ほど前に行われる予約受付の際には、バスカーたちの電話が殺到、人気がある「稼げるスポット」は数分で予約が埋まるといいます。

「バスカー」を探しに駅に行こう!

さて、バスカーたちの演奏を聴きに駅へと行ってみましょう。
「スポットは25駅に設置」と聞いて、探すのが難しいようにも感じますが、実はとても簡単。観光客の乗降が多い繁華街の駅に集中して設けられているからです。代表的な駅としては、ピカデリー・サーカスをはじめ、オックスフォード・サーカス、レスター・スクエア、グリーン・パークなど。その他、ナビがユニークだな、と思う場所は、サウスケンジントン駅と博物館群を結ぶ地下道の途中と、新金融街カナリーワーフ駅のコンコースの2カ所。これらはいずれも駅の改札外にスポットが設けられています。
「駅って広いのに、どうやって探せばいいの?」と尋ねられそうですね。でも、大丈夫。一生懸命に探さなくても、バスカーが奏でる音楽が通路の遠くの方から聞こえてくるはずです。ほとんどのミュージシャンたちは、演奏の時に楽器をアンプにつないで音を大きくしています。ですから、意外と離れたところからでも聞こえるというわけです。

どんな楽器を弾いている?

バスカーたちはさまざまな楽器で演奏しています。数的にはギターが多いのかもしれませんが、あちこちの駅を巡ってみると、サックスにクラリネット、ハーモニカにアコーディオンとさまざま。大きいものでは、ハープやダブルベース(コントラバス)のように「駅まで運んでくるのがたいへん」な楽器を持ち込んでいる人さえいます。
また、アフリカやカリブの民族楽器を叩く人もいますね。見たことのない楽器で演奏している人がいたら、思わず写真を撮りたくなりますが、そんなときはチップを渡すのを忘れないでくださいね!

バスカーってたいへんな仕事?

日々あちこちの駅を回って演奏しているミュージシャンたちは、この仕事だけで生計を立てている人も少なくないのだそうです。プロ級の高いレベルの人も多く、演奏中に自分のCDを置いてプロモートしている光景も見かけます。
バスカーとはどんな仕事なのか、2003年にバスキングがライセンス制となった際、日本人初の「地下鉄公認バスカー」となった土門秀明さんにお話を伺ってみました。
「駅でのバスキングは、有名とはいえないミュージシャンたちに、演奏出来る機会とお金を稼ぐ手段を与えてくれるチャンス」と語る土門さん。さらに、お金を得るだけでなく、人々に音楽で安らぎを与える社会貢献の場でもある、といいます。
しかし、「バスキングは、わざわざその場所に出掛けて行って、じっくり音楽を聴くものでもない」そうで、たまたま通りがかりにいい感じの音楽が聞こえたらチップを投げ込む、そんな通行人のさりげなさも格好いいと感じるのだそうです。

良いことばかりでもないそうですが……

ただ、良いことばかりでもありません。「バスカーのチップを盗んだり、ゴミを投げて来たり、酔っ払いにからまれたり——。ロンドンの冬の寒さの中でも弾くんですよ。」
一生懸命演奏した成果はどんなものでしょう。実際にバスキングでどのくらい稼げるかを遠慮気味に尋ねてみると、「そうですね、場所や時間にもよりますが、状況に恵まれれば1回のセッション(2時間)で、100ポンドを超えるときもありますよ」
ナビは「意外と多くの人々がお金を投げ込むんだな」と思った半面、『一生懸命弾かないとお金は入って来ない』という言葉にこの仕事の厳しさを改めて感じました。
人々に音楽の楽しみを、駅という身近な空間で与えてくれるバスカーたち。ロンドンの街をめぐる時、ミュージシャンたちの演奏に耳をかたむけてみてはいかがですか?
以上、ロンドンナビでした。
(Photo by Mayuko Ono)

土門秀明さん プロフィール

(写真:土門さん提供)

(写真:土門さん提供)


1964年、山形県酒田市生まれ。バブルガムブラザーズ等のバックバンドで活躍。
2002年渡英。翌年、ロンドン地下鉄公認バスカーとして日本人で初めてライセンスを取得した。2011年9月、ファーストアルバム「From The Underground」をiTunesよりリリース。2012年3月、日本に活動の場を移した。最新動向は、ブログ「地下鉄のギタリストhttp://domon.livehouse.com/」を通じて見ることが出来る。
関連タグ:地下鉄

上記の記事は取材時点の情報を元に作成しています。スポット(お店)の都合や現地事情により、現在とは記事の内容が異なる可能性がありますので、ご了承ください。

記事登録日:2012-10-17

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